コンテンポラリーダンスの大衆化「踊りに行くぜ!! Vol.4」('03年12月26日)

2003年12月25日(水) コンテンポラリーダンスの大衆化「踊りに行くぜ!! Vol.4」
表題の公演を25日、スフィアメックスに見に行った。いや、びっくりした。地方は凄いことになっている。Vol.4は、「札幌・仙台・新潟・東京・名古屋・大阪・岡山・広島・松山・福岡・沖縄」の11ヵ所で行われたシリーズで、各開催劇場の推薦などから選ばれた出演者たちが複数の都市で出張公演し、今回の東京公演はそれを踏まえてのベストセレクションだという。東京で公演を見ながら、なんとなく感じていた「今の日本のコンテンポラリーダンス・シーンはこんなものか」という感覚がすっ飛んだ。流行や「今っぽさ」に絡める小狡さ、あるいは「らしさ」を装う虚勢とも無関係。自分たちが面白いと信じることに突進している。ただし、これらは状況への意思表示というより、症例のようなものではないか、と思えるところが気がかりでもある。

今回の出演者のような人たちが観客に支持されて活躍の場を広げていくことができれば、観客はほとんど業界人と友人知人ばっかりみたいな現状が打破され、「コンテンポラリーダンスの大衆化」が起こるかも知れない。将来、コンドルズがその先駆けとして認知されることになるのかも。

ただ、今のところ、単独公演はどれも辛いと思った(今回の砂連尾+寺田に関しても)。今回の作品を1時間に拡張しても辛いし、かといって、劇場に出掛けていって30分で終演というのも物足りない。JCDNを使って、グループ展みたいなことが日常的にどんどんやれたらいい。それを可能にするのが観客の支持だろう。歯車が合えばうまくいくと思う。
(2003年12月26日記)